テーブルに料理を並べた後、部屋を出て、階段を駆け上がって慎吾の部屋の前に立つ。


あぁ、緊張する。


だが、ここで躊躇している場合ではない。


意を決して玄関ベルのボタンを押した。


慎吾はすぐにドアを開けて、


「どうした?」


何事もなかったように尋ねてくる。


この余裕な感じが妙にムカつく。


「夕飯食べたの?」


素っ気なく聞いた。


慎吾には予想外だったのか戸惑うような表情で、


「まだだけど?」


良かった。


「だったら……うちで食べない?」


その言葉に慎吾はますます困惑顔で、


「何を言い出すんだよ、急に……」


そう言いたげに見えて無性に腹が立つ。


「何よその顔は!いっぱい作りすぎちゃったんだってば!いらなければ別にいいわよ!!!!」


あぁ、やっちゃった……。


またしても慎吾に怒りをぶつけるような言葉を吐いて、逃げるように自分の部屋に戻った。



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