泣きたい夜には…~Hitomi~




「わぁ、綺麗すぎて食べるのがもったいない」


スイーツだけどアート、崩してしまうのが惜しいくらい。


「だったら俺が代わりに全部食べてやるよ」


慎吾が意地悪く笑う。


スタッフはクスッと笑うと、


「自家製のバニラアイスを乗せて完成です」


仕上げにバニラアイスが添えられた。


熱々のパイと冷たいバニラアイスの絶妙な相性に、


「うーん、美味しーい!」


「うん、美味い!」


ふたりで舌鼓を打った。


スフレもとても美味しくて、


芦ノ湖の絶景と美味しいスイーツ、


優雅なティータイムを堪能した。


慎吾といると心地良くて、ありのままの私でいられる。


私の中で慎吾の存在が少しずつ大きく、特別なものに変わっていった。



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