慎吾は私の心を見透かすように、
「今日は乗らないぞ。乗るのは次にしろ」
前を向いたまま、言った。
ほら、やっぱり…。
残念、だけど、
次、って…何?
次があるの?
期待して、いいの?
本当に期待しちゃうよ。
車は湖畔に沿って進んでいく。
目的地は近い。
「あと少しだ」
慎吾の言ったとおり、1分もしないうちにツツジで有名なホテルの大きな建物が見えてきた。
「ほらっ、着いたぞ!」
慎吾は車を駐車場に停め、車を降りた。
「待って!」
早足の慎吾を追いかけるように着いたところは、
「キャー!前からここに来たかったんだー!」
芦ノ湖に浮かぶように建つホテル直営のデザートレストラン。
建物とロケーションだけでテンションが上がってしまう。
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