血中の悟濃度が低下して限界が近い。


チャージしたい。


バッグにスマホをしまい、車のエンジンをかけた。




悟さんのマンションに着いた。


窓から洩れる明かりに思わず頬が緩む。


まだ寝てないみたい。


良かった。


エレベーターで上がって、


ピンポーン♪


インターホンを押した。


「はい」


すぐにドアが開き、悟さんが顔を出した。


「ふふっ、来ちゃった!」


でも、私の姿を見た悟さんは、


「…ッ!!!!ひとみ!!!?何で!!!!」


大きく目を見開いた。


この時間にスーツにネクタイ姿なんて珍しい。


「出かけてたの?」


「あ、あぁ…坂田教授の家に呼ばれていて…」


彼らしくない歯切れの悪い返事。


「脳炎の入院患者が予断を許さない状態だって聞いたけど」


終始視線を泳がせ、落ち着きのない様子。


何か隠している。


そう直感した。



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