昔から気が強いわりに泣き虫だった私は、よくお母さんから喜怒哀楽が激しいと呆れられた。


始めは何かにつけ涙を流す私に慎吾は戸惑っていたけれど、最近は扱い方にも慣れてきたようで。


「お前、職場でも泣いているのか?泣いていると、あのオカマの先生に怒られるんじゃねぇの?」


オカマの先生……。


そのオカマの先生はあなたに夢中だという事実をまだ知らないのね。


「私が泣くのは慎吾の前だけだよ。仕事の時は絶対泣いたりしないから」


もちろん、オカマ、もとい、小野塚先生の前でも。


泣き顔は見られたけれど、泣いた後だから無効ということで……。


慎吾は笑って、


「泣きたい夜には俺の隣に来い!いつでも受け止めてやるぞ」


なんて頼もしいことを言って自分の胸を叩いた。


えっ……


ドクンッ!と心臓が跳ね上がる。


本気にして、いいの……?


そんなこと言われたら私、期待しちゃうよ。



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