彼に駆け寄り、顔を覗き込む。
顔は紅潮し、呼吸が浅い。
手を取ると、脈だって速い。
急性アルコール中毒の一歩手前……
「ちょっと、大丈夫なの…?あなた飲みすぎよ!!!!そんな飲み方したら急性アルコール中毒になっちゃうわよ。もうっ、無茶して…ほらっ!水飲んで!!!!」
その責任の半分は私にあるが……。
ペットボトルのミネラルウォーターを彼に差し出したけれど、自力で飲むことはできなくて。
「何で?何で私なんかのためにここまでするの?」
自分でも面倒くさい女だということは重々承知している。
こんな私になんて付き合わないで帰れば良かったのに。
成瀬さんは虚ろな目で私を見た。
「だってお前、ガキだし、見ていると危なっかしくて……放っておけないんだよ」
その言葉に、彼のことを信じてもいい。
彼を信じられる。
心からそう思った。
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