彼の表情に『落胆』の文字が浮かび上がった。


でも、


「浅倉先生、今日はもうこれで…続きはまた今度にしましょう」


立ち上がり、玄関に向かう彼の背中が見えた。


何よ!


とことん付き合うって言ったくせに。


いいもん!


ひとりで飲んでやる!!!!


ローテーブルに置かれた未開封の缶ビールが目に留まる。


もう温くなってしまったけど、飲んじゃえ!!!!


缶を手に取り、


プシュ!


その音に彼が反射的に振り返り、大きく目を見開いた。


「あぁ、泣いたから酔いが醒めちゃったぁ!飲み直そうっと!」


缶ビールに口をつけた瞬間、成瀬さんは踵を返し、私から缶ビールを取り上げた。


そして、再び一気に飲み干すと、


ドサッ!


足をとられ、その場に倒れ込んだ。



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