「でしたら、薬剤師免許もお持ちなんですか?」


いけないと思いつつ、酔いに任せて根堀り葉り堀しつこく質問を繰り返す私に成瀬さんは、


「えぇ、持っていますよ。こちらはペーパードライバーですが。万が一リストラされても薬剤師で何とか食べていけますね」


嫌な顔ひとつせず、答えてくれた。


話し方も嫌味がなくて好感が持てる。


でも、彼が好意的に接してくれるのはあくまでも仕事だから、ただそれだけのこと。



「先生、大丈夫ですか?」


成瀬さんが心配そうに私を見る。


私に合わせて飲むと、男性でも私よりも早く酔いつぶれてしまう。


彼、そんなにお酒が強くなさそうなのに無理するから、そろそろ限界ね。


私もいい感じで酔いが回ってきているけれど、顔には出ないから。


「成瀬さん、仕事以外で先生はやめましょ。お酒がまずくなる。あと、敬語もなし!たぶん、私の方が年下だと思うから」


成瀬さんは意外だったのか、


「私、29ですよ」


そう言うと、戸惑うような表情を見せた。



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