「ちょっと政孝、聞いた?ノロケてるわよ、この男。ホントに嫌になるくらいムカついてきたわ!!!!」


悔しそうに叫ぶ五郎だが、


お前だってオネエ辞めてその気になればいくらでも相手はいるだろうに。


ひとみと別れたあの日、お前は医局に怒鳴り込んで来てを俺を殴ったよな?


その時気づいたんだ、お前のひとみへの気持ちを。


師弟愛だけではない、もっと深い愛情を。


「そうそう!アタシ見ちゃったわよ!結婚式の新婦入場と披露宴のラストの両親への花束贈呈でアンタが泣いているところ!!!!本当は浅倉に未練タラタラなんじゃないの?」


勝ち誇ったように言っているが、お前の方こそ終始号泣していただろうが……。


「違うよ、柄にもなく感動したんだよ」


本当はそうじゃない。


ひとみの花嫁姿に娘のひとみを重ねてしまい、思わず目頭が熱くなった……。


なんて言った日には五郎に冷やかされるから口が裂けても言うものか。



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