「だったら私がドクター辞める!私があなたを一流のドクターになるサポートをしていく!あなたを支えていくわ!!!!」
こんなに好きだと思った人はいなかった。
本当に好きだからこそ、全てを捨ててもいいと思えるのだから。
「ダメだ!キミは続けるんだ。俺と結婚したらキミはダメになる」
どんなに食い下がっても彼と私は平行線のまま、私の気持ちが伝わることはなかった。
彼は私をまっすぐ見て言った。
「香澄のことは愛してはいない。彼女との結婚は将来、教授のポストの確約という契約でしかない。
本当に愛しているのはひとみ、お前だけだ。だから結婚しても別れたくない」
その身勝手ともとれる言葉に、彼への熱がスーッと冷めていくのを感じた。
そして、
心の中に小さく点っていた怒りの炎が一気に爆発した!!!!
パシーーーン!!!!
乾いた音が裏庭に響き渡った。
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