というのも、


一度は断った病院経営の話だったけれど、


お父さんからの再三にわたる熱心な口説きと泣き落としに根負けした慎吾は、病院経営者への転身を決意した。


長年勤務していた製薬会社に別れを告げ、新年度から湘南医大病院で経営者としての修業を始めることになった。


これをきっかけに慎吾と同居生活を始めることに。


家も職場も慎吾と一緒だなんてワクワクした毎日になりそうだ。


新居は、私達の出会いの場所。


そう、


かつて私達が住んでいたマンションだった。


「あれ?浅倉さん?戻って来られたんですか?隣の彼はもしかして……僕が部屋まで運んだ彼ですよね?」


声をかけてきたのは、お隣さんだった大島さんご夫妻、いや3年見ないうちにファミリーになっていた。


ご主人におんぶに抱っこのふたりのお子さんに加え、奥さんのお腹には3人目の命が……


3年経っても仲睦まじさは変わらないようだ……。



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