それからしばらくして、私は慎吾と結納を交わし、正式に婚約した。


帰国後、私は湘南医大に復帰し、再び忙しい毎日の連続で、


「アメリカに行ったら超遠距離恋愛でアタシの成瀬ちゃんと別れるかと思っていたのに、アンタって見かけどおり


本当にしぶとい女ね。


復帰した第一声が『慎吾と結婚します!』って、ひどすぎやしない?


アタシのガラスのハートが粉々に砕け散ったじゃないの!!!?」


准教授となった小野塚先生のオネエ言葉は今も健在。


相変わらず若いドクター、ナースをいびり倒して楽しむ毎日を送っている。


もちろん、私も選に洩れることはない……。


恐らくそれは何年経っても変わらないだろう。


でも、


誰がガラスのハート?


鋼の間違いでしょ?


小児科病棟のスタッフはみんなそう思っているに違いない……。



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