仕事柄、呼び出されたら深夜でも駆けつけなければならないのでやむなく運転しているけれど、疲れている時はできることならばしたくはない。


あぁ、専属運転手が欲しい。


いや、運転手よりも、昔のアメリカのドラマに登場した自動運転ができて話をする車。


えっと、何て言ったっけ?


そうそう!ナイト2000!!!!


私にはその方がいいかも。


なんて、夢のまた夢。


夢は寝て見ろ!寝言は寝て言え!


なんて言われそうだ。


そんなことを考えている暇があったら早く部屋に戻って寝よ。


重い体を引きずり、車から降りる。


隣の車から持ち主の男性も降りてきた。


推定年齢30歳前後。


そこそこイケメンのスポーツマンタイプ。


長身でスリムな体にスーツがよく似合う。


ここに住み始めて2年近く経つけれど、彼と会うのは駐車場のみ。


名前はおろか、部屋番号すら知らない。


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