「ごちそうさまでした。とても美味しかったです」


彼はそう言うと、満足そうな笑みを浮かべた。


「良かったぁ、口に合ったみたいで…食欲もあるみたいだし、早く元気になりそうね」


こんなに食べてもらえて作り甲斐があるわ。


大したことがなくて本当に良かった。


彼に笑顔を返すと、まだ熱の高い彼の頬は赤くて…


あ、忘れてた!薬飲ませないと。


薬、薬!!!!


救急箱から薬を選び、


「じゃ、お薬飲みましょうか?」


彼に薬と水を渡すと、彼は薬を飲んだ。


「色々すみませんでした。そろそろ帰ります」


まだ掠れの残る声で言い、起き上がろうとしたけれど、体が大きく揺れ、ベッドに沈んだ。


「ダメよ!まだ安静にしてなきゃ!」


厳しい口調で言い、ベッドに押し込む。


食欲があるといってもまだ熱があるんだから無理しちゃダメなんだから。



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