泣きたい夜には…~Hitomi~




慎吾はそんな私の様子に、何を聞いても無駄だと思ったのだろう。


「わかった……もう戻れ、まだ仕事あるんだろ?まだ寄るところがあるから」


そう言うと、帰り支度をした。


私も頷いて椅子から立ち上がると、


「必ず話す……だから私を信じて」


それだけ言うと、ラウンジを後にした。


それから1週間が経ち、慎吾にはまだ話をすることができなかった。


慎吾は何か言おうとしているのはわかっていたけれど、話す勇気がなかった。


「アンタ、明日が最終決定の日よ、いい加減行くって返事しなさいよ!!!!じゃなきゃアタシ、アンタの指導医辞めるから!上昇志向じゃないドクターなんていらないわ!!!!」


小野塚先生にまで嫌なことを言わせてしまった。


最低だ、私は……


みんなに迷惑をかけている。


あぁ、


つくづくこんな自分が嫌になる。



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