その後も悩みに悩んで強引に結論を出した。
「申し訳ございません。アメリカ留学のお話は辞退させていただきます」
がっかりする上杉教授に胸が痛む。
本当は行きたい。
自分の成長を
キャリアを
自分自身で止めているのはわかっている。
だけど、
今は慎吾と離れたくない。
慎吾の傍にいたい。
「まだ日本で勉強したいんです」
こんな気持ちで行っても良い成果は得られないに決まっている。
でも、教授は、
「締め切りまで時間はまだ十分ある。もう一度考えてみなさい」
諦めない構えだ。
「アンタ、バッカじゃないの!!!?こんなチャンス一生に一度あるかないかなのよ!!!?
アンタが行かないならアタシが行くわよ!!!!」
小野塚先生にものすごい剣幕で叱られ、
あの人までが出てくる事態に……。
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