「わかりました」
そう言葉を返し、教授室を後にした。
両親に話したら大変名誉なことと狂喜乱舞の大騒ぎになることは間違いない。
でも、
慎吾は……?
もしもアメリカに行ったら、ひとつ屋根の下恋愛から遠距離恋愛……
ううん、超遠距離恋愛になってしまう。
帰国だってそう簡単にはできないだろう。
滅多にないチャンスだということはわかっている。
わかっている、けど……
アメリカには行きたい。
でも、
慎吾と離れたくない。
二兎追うものは一兎も得ず。
とはいうけれど、
「どうしたらいいの……?」
両親よりも先に慎吾と話をしないと。
そうは思うものの、どう切り出せばいいのか、
私がアメリカに行きたいと言った時の慎吾の反応が怖い。
この幸せで心地良いひとときを手放したくない。
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