泣きたい夜には…~Hitomi~




「……ッ!」


青天の霹靂とはまさにこのこと。


予想外の出来事に驚きすぎて、何か言いたくても言葉が見つからない。


アメリカって……


ということは……


「島流しってことですか?」


やっと口から出た言葉がこれって……。


教授はブハッと噴き出すと、


「浅倉先生、キミはなかなか面白いことを言うねぇ」


そう言うのがやっとでお腹を抱えて笑い出した。


何故か秘書さんまでクスクスと笑っているし……。


私、何か変なこと言っちゃった?


もしかして、これはドッキリとか?


部屋の中を見渡してもヘルメット被ってプラカードを持ったオジサンが出てくる様子も隠しカメラもない……。


それにしても、あんなに笑う教授を見るのは初めてだ。


そんなにおかしなことを言ってしまったの?私。


教授はひとしきり笑った後、涙を拭いて、


「島流しなんかじゃない。教授推薦のアメリカ留学だ」


え…


その言葉に、ドクンッと心臓が勢いよく跳ね上がった。



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