それとも、教授にとって私は、坂田教授同様、目の上のたんこぶみたいなもので放出したいのか?


出る杭は打たれる、ということわざがあるけれど、私のような未熟者でも出ていると間違われ、打たれてしまうのか……。


いわゆる、リストラ……


私は教授をまっすぐ見た。


「あの、おっしゃっている意味が、よくわかりません」


リストラならそうだとはっきり言って欲しい。


教授には今の私がどのように見えているのだろう。


生意気な女?


それとも、


往生際の悪い女?


教授は真剣な眼差しを私に向け、


「アメリカに、行ってみないか?浅倉先生」


そう言うと、穏やかな笑みを浮かべた。


えっ……


えぇぇっ!!!?


ア、アメリカ!!!?


教授の言うところのアメリカは、アメリカ合衆国で、大阪にあるアメリカ村ではないことは容易にわかる。


いやいや、そんなことを考えている場合じゃない。


逃げるな、ひとみ!!!!


冷静になれ!!!!


現実を見るんだ!!!!



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