「ちょっと慎吾!大丈夫?」
慌てて駆け寄り、慎吾の顔を覗き込むと、
「だ、大丈夫、大丈夫……」
力の抜けた声で言うと、引きつった笑いを見せた。
慎吾も頑張ったもんね。
慎吾の腕を取り、肩に回してゆっくりと立たせると、
「部屋に戻ってお風呂に入り直そう?私、体も洗えなかったんだから」
にしても重い。
「大丈夫ですか!!!?」
私達の様子を見たフロントのスタッフが車椅子を用意してくれ、
「病人みたいだな、俺……」
ため息を吐く慎吾を乗せて部屋に戻った。
「慎吾よく頑張ったね。お疲れ様」
ベッドに横たわる慎吾の額に触れ、安心させるように微笑んでみせる。
「すごいよ、お前は。毎日、人の生死と向き合っているんだからな…俺には到底、真似できないよ」
慎吾は苦笑した後、大きく息を吐いた。
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