「大丈夫、絶対助ける」
老人の浴衣の胸を大きく開き、パッドを貼った。
自動解析された心電図は規則正しい波形を描くことなく、横へと真っ直ぐ伸びていく。
同時に充電が開始される。
「電気が流れます!危ないですから、下がってください!!!」
慎吾が大きな声で増え続ける野次馬を整理しながら注意を促す。
慎吾、どうして私がして欲しいことがわかるの?
頼もしすぎて惚れ直しちゃうよ。
充電が完了するとショックボタンが点滅した。
ショックが可能になったことを音声メッセージが教えてくれた。
「ショックを行います。離れて!」
注意喚起をすると、
「危ないですから、下がってください」
慎吾も注意を促した。
ボタンを押し、通電を行うが心拍は再開されず再び胸骨圧迫を施す。
救急車はまだなの?
ううん、そんなことよりこの人を助けることが先決よ。
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