しばらくして仲居さんが浴衣を持って再び部屋を訪れた。


この旅館では、女性客が好きな浴衣を選べるようになっている。


それも、この旅館を選んだ理由のひとつ。


「どれがいいかな?うーん、迷うなぁ」


さんざん迷った末、紺地に小花が入った落ち着いた感じの浴衣に山吹色の帯に決めた。


時計を見ると、


「4時半か」


夕飯までにはまだまだ時間がある。


「風呂、入るか……?」


慎吾の言葉に、


「えっ!?」


入るということは、部屋風呂に別々ではなくて一緒に、ということだよね?


「……。」


いきなりそうきましたか……。


「まだ、明るいよ」


私にだって心の準備が……


そりゃ、温泉旅館だから温泉に入らなきゃ何しに来たのかわからないし。


温泉?


温泉……


「あっ!!!!」


ふふふ…


いいこと思いついちゃった♪



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