車が走り出すと、疲れが出たのか、いつの間にか眠ってしまったようで……


「おーい、着いたぞ~!」


慎吾に起こされ、


「あー、着いたの……えぇぇっ!!!?」


一瞬で目が覚め、慌てて飛び起きた。


「ごめん!慎吾!!!!せっかくの旅行なのにひとりで寝ちゃって」


慎吾だって疲れているのに、ひとりで運転させてしまい、申し訳ない気持ちになる。


慎吾は笑って、



「せっかくの休暇なんだ。気にしないでゆっくりしような。ただし……」


え……


何?


ただし、って……


慎吾はニヤリと黒い笑みを浮かべた。


その笑顔が怖いんですけど……。


熱を帯びた眼差しに、胸は高鳴り、頬が熱を帯びる。


「今夜は寝かさない」


私の頬に触れ、そっと唇を奪った。


オオカミ降臨……。


まだ外は明るいのに……。



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