急いで車を駐車スペースに停めると、
「大丈夫ですか!!!!?」
車から飛び出し、彼に駆け寄った。
頬は紅潮し、乱れる呼吸。
額にそっと触れてみる。
「熱い」
考えられるのは風邪。
今の時期、インフルエンザという可能性も十分ありうる。
このまま放置しておくわけにはいかない。
タイミング良く駐車場に車が1台入って来た。
降りてきたのは隣の部屋に住む大島さん。
中学校の体育教師。
学生時代はラグビーをしていただけあって堂々たる体躯。
時折聞こえる奥さんとの仲睦まじい生活音は新婚さんゆえ仕方がないかなと思ってはいるが、かなり迷惑だったりする。
「あれ?浅倉さん、どうしましたか!!!?」
驚いた様子でこちらに駆け寄る大島さんに、
「すごい熱なの!部屋に運ぶのを手伝ってもらえますか?」
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