・・・・・・・・・・・・!


パッと記憶が鮮明になる。


・・・ウツボ! 海であたし達を襲った、あのウツボ!


あの目に刺さるような鮮烈な青色は、あのウツボのウロコだ!


あたしの脳裏にまるで見てきたように、その時の状況が思い浮かぶ。


あのウツボは死んではいなかった。


あのネチッこい執念深さで、この島の海岸まであたし達を追ってきたんだ。


そこへ運悪く子どもが遊びに来て、ウツボに襲われてしまった。


騒動に気付いたしま子は必死に戦った。


なんとかウツボを倒すか追い払うかしたけど、子どもは残念ながら助からなかった。


でも・・・優しいしま子はそのまま放置できなかったんだろう。


血まみれの子どもを抱きかかえ、オロオロしている所を見つかってしまった。


そして犯人扱いされて、捕まってしまったんだ。


きっとそうだ! そうに違いない!


「聞いて! 子どもを殺したのはウツボだよ! 海に棲む大ウツボに襲われたんだ!」


あたしはしま子の無実を大声で訴えた。


でも島の人たちは、あたしの言葉に怪訝な顔をするばかり。


「ウツボ? なんだそれは?」


「海に棲む大ウツボ? 何を言ってるんだこの娘」


「なにって、だから青い色のウツボが・・・!」