そんなの事を考えていた俺に柳は静かに告げた。

結『おそらく、今回の事件の犯人は主任の気持ちに気づいた人でしょう!』

悠斗『俺の気持ち?』

俺の気持ちと、今回の事件何の関係があるんだ?

分からない。

でも、下田が傷つくのは見たくない。
守りたい。

犯人を見つける。絶対に!

俺は、心にそう誓い部屋を出た。

結『鈍いのね。』

柳が、そう言って、微笑んでいるのに気付かず。

俺の頭の中は犯人をどうやって見つけ出すか、どうやって嫌がらせをやめさせるか、それだけだった。

この時、本当は自分の気持ちに気づいていたのかもしれない。

それを気付かないふりをして。