正直、文乃と出会うまではあまり女に良い印象がなかった。
俺の顔しか見てなかったり、立場目当てだったりするからむしろ大嫌いだった。
香水の匂いもキツくて無理だし、濃いメイクも嫌いだ。
柳の様に普通に接する奴もいたけど結局俺の女嫌いは治らなかった。
下田とは初めてあった時から他の女とは違う気持ちを抱いていた。
もっと知りたいと思ったし、一緒にいたいと思った。
もしかしたら、この時から好きだったのかもしれない。
兄さんに頼んで秘書課に移動させて、一緒の時間を過ごすようになってより気持ちは大きくなっていった。
好きという事を自覚した時告げないと決めたのに言ってしまったのは気持ちが大きくなり過ぎて止める方法が分からなかったから。

