俺が考えていると彼女が俺に話し掛けてきた。 夏香『お久しぶりです、司馬主任。その節はお世話になりました。』 お世話? 悠斗『もしかして宝城の時の?』 夏香『はい。』 あの時鈴堂が宝城の事を俺に知らせてくれなければどうなっていたか、考えただけでも恐ろしい。 文乃『宝城さんの時って?』 悠斗『何でもないよ。』 あまり宝城の事を文乃に思い出させたくないから誤魔化す。 すると兄さんから鋭い視線を感じた。 玲斗『なんの話だ?』 質問してきた兄さんの声はいつもより低かった。