何気なく文乃が言った一言に兄さんが弾かれた様に顔を上げた。

玲斗『なっ、何で!?』

悠斗『まさか、図星?』

俺と文乃が問詰めると観念した様に兄さんが言った。

玲斗『そうだよ。ウチの社員だ。』

文乃『どんな人なんですか?』

何故か文乃が興味津々に聞く。

玲斗『会えばすぐに分かる。』

すぐに分かる?

誰だ?

秘書課には文乃と柳しかいないし、俺の知っている社員て兄さんの好みのタイプは居ないはずだ。

俺が考えていると、

玲斗『俺の準備も出来たし会いに行くか?あいつの準備も、終わってるはずだし。』