父『さあ、着いたぞ。』

お父さんに言われ車から降りる。

着いたのは有名な老舗料亭。

此処でお見合いをするのか。

部屋に通される。

まだお見合い相手は来ていないみたいだ。

母『まだ、みたいね。』

父『まあ、彼も忙しいから遅くなっているのかもしれない。』

お父さんの言葉が『お前の為に時間を作ってくれたんだぞ。』と言っているようで、私に重くのしかかる。

母『まだ、少し時間があるみたいだから私達は庭園を見てくるわ、文乃はどうする?』

文乃『私は待っています。』

そして、私を残して両親は部屋を後にした。

その時の私は知らなかった。

このお見合いの隠された本当の意味を。