あの日、僕は死んだ…儚い人生と共に独り、ポツリと死んでいった。
5月1日の朝8時のことだった。
誰にとっても、必要性のない僕だと、言うことに気づいたのは、そのときだった。
嘘泣き…心の中では笑っている。
わかっていたことだ。
誰も…僕は大切じゃなかったんだ。
僕は、早くに母や父を亡くしている。
そんな時、姉が引き取ってくれた。
最初は、大切そうに叱ってまた、優しくしてくれた。そんな時だった。
姉のお腹の中に新たな魂が宿ったのは。
何ヵ月たっただろうか?
姉のお腹は、大きくなった。
診察した結果、男の子だと分かった。
姉もいや、全員が嬉しかった。
しかし、そのなかに俺は、すでに存在していなかった。
眼中から消され、バイトを頑張っていた俺に、食べるものが用意されていなかった。
稼いだ金で、食べるものを買ってこいというのだ