ガチャ。

「グズッ。ふぇ」

なんでだろ。

頑張ったのに。

「瀬南ぁ。好き……」

「……盗み聞きじゃ、無かったんだけど……」

私が泣いていると、声がした。

声が聞こえる方を向くと、男の子がいた。

「……聞こえちゃって……」

とても可愛い男の子が。

瀬南とは、正反対の。

私は、ビックリして涙が引っ込んだ。

その子は、160㎝ぐらいで少し大きめの制服を着、棒付きキャンディーを舐めている。

目は、クリッと大きな二重で鼻は高くもなく低くもない。

唇は、小さく薄かった。

「……失恋しちゃった……?」

「ふぇ!?」

私は、ビックリしすぎて変な声が出た。

「……実は、僕もなんだー。」

そう、儚く微笑む君は………。

とても綺麗だった。

ここから、私の恋が始まったんだ───。

             end