「酷くて、悪かったわね!」
あぁ。なんて可愛げがないんだろう。
こんなんじゃ、一生好きになってもらえそうにない。
「なぁ、杏。」
瀬南に、呼ばれる。
「何?瀬南。」
「俺、さ。この後、夕夏に告白しようと思うんだ」
ドクッ
その真っ赤に染まった顔。
緊張してるんだろうなって、思う。
「…そ、そっか!頑張って!成功したら何かおごるよ!」
私は、笑顔で言う。
「おう!ありがとな!行ってくる!……あっ!」
瀬南は、何かを思い出したかのように声を出した。
「どうしたの?」
「告白、終わるまで教室で、待っていてくれよ!振られた時に慰めて!」
……本当……。
慰めたいよ。
「……解った。」
「じゃあね!」
瀬南は、走っていってしまった。
「はぁ。どうして私じゃ無いんだろ……」
私は、誰もいない場所で涙を流した。