────今日は卒業式。 日が過ぎるのは、とても早かった。 「夕夏ぁ……」 卒業式が終わり、皆が最後にと集まる。 私は、顔がグチャグチャになるぐらいに泣いてしまった。 「よしよし。」 夕夏は、私を赤ちゃんのように宥めた。 「杏。大丈夫か?」 顔がひでぇぞ。 私の肩に手をぽんっと置き、そう言ってきた瀬南。