誕生日

気づかれないように、静かに後ろからアイツに近づく。

僕が真後ろにいるのに、アイツはまだ気づかない。

「…何してんの?」

突然の僕の声に、アイツはビクッと驚く。

「え!? べ、別に!? 何もしてないよ!!」
動揺したような声でそう答えてから、アイツは僕の席を離れて、後ろの席に戻る。