『…あたし今、お仕事なうなんですけど。』

出た瞬間、不機嫌そうなアイツの声が聞こえる。

「ありがとな。」
『…別に。』
「わざわざ届けにきたの?」
『うん。本当は直接わたすつもりだったんだけど、今日仕事あったから帰ったけどね。』
「そっか。」
『じゃ、あたし仕事中だから。もう切るね。』
「おう。仕事中ごめんな。」
『いいよ別に。おめでとう。じゃーね。』

…そう言って、アイツから電話を切った。
久しぶりに、アイツの声を聞いた。