目の前に美優の両手が飛び込んできた。



「…なんだよ」


片手で美優の両手を封じる。



「人の質問に答えてよ!」

「あ?キスするだけだよ」

「お母さん来ちゃうよ?」

「来ないって」


美優って見た目派手だけど意外にウブだよなぁ…。

まぁそこが好きなんだけど。
でもキスくらい、いい加減自然に任せてしたいよなぁ…。




「何で来ないって分かるの?」



首を傾げる美優。


「ごゆっくりって、言われなかった?」


俺の問い掛けに、目線を上に上げて一時考え込む。


「…あっ!」


目線を俺に戻し、思い出すと顔を赤くして小さく叫んだ。



「だろ?」


「でも…そういう意味じゃ…」



「どっちでも良いよってか今はヤラねぇよ。美優体力無いし」


「体力って…」


美優が何か言いかけたのを唇で塞いで深くて甘いキスをした。













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