いつの間にか、眼からはたくさんの涙が流れていた。 どうやっても止められなくて、それは自然と流れてきて、おれの服を濡らしていく。 美帆のお母さんの気持ちを初めて知って 本当に自分の娘を想う気持ちに触れて、 自分の覚悟がどれだけ甘かったのかを知る。 『美帆に会いたい。』 自然と口からこぼれ出た言葉は、 誰もいない冷たい部屋にしんみりと響いた。