いつの間にか眠ってしまっていたようで、携帯の時計を見るともう6時半を過ぎた頃になっていた。




もうすぐ悠希が来る頃だなと思う。
今日は学校休むって伝えてもらおう。



顔を洗って髪の毛を束ねる。
ゆうはまだ目を覚まさない。









……ガラガラ
『おはよ、美帆。ゆうは目ー、覚ましてないか。』

うん、そうみたい。と返して、
今日は学校休むからって伝えて。と頼むと、


『え、美帆、学校休んだらゆうに怒られるんじゃないん?』





思い出した。高校生になった最初の頃、ゆうと約束をした。




俺が体調悪くても、なんでも、死にかけて無いなら、絶対に学校は休まないで。








これだけは絶対守って欲しい、美帆にこんな迷惑かけてんのに、学校まで休んで欲しくないから。って、

全然迷惑なんてかかってないのに、私のことをこんなにも考えてくれるゆうが愛しくて、約束したんだった。



うん、やっぱり行く。と悠希に返事をして、一旦家に帰ることにした。








朝はもう結構冷えてて、確かニュースで今年は秋の訪れが早いんだとか言っていた。



ゆうの時間は17歳で止まってしまうかもしれないのに、季節だけはどんどんすすんで、、、、、
朝の寒さと重なり無性に悲しくなる。









お母さんは帰って来ていなくて、
簡単に朝食を済ませて、準備をして家を出た。










その日の授業は全然頭に入ってこなくて、ずーとゆうのことを考えていた。






学校が終わるとすぐに駅に向かって走った。
四駅分くらいしか離れていないのに、立っているのが辛くて、いつもは座らない席に座った。







ガラガラ………
ただいま。と声をだし、
ドアを開けるがいつもの優しい声は帰ってこない。




まだ目を覚まさないんだ。はやく起きてゆう。さみしいよ。




明日は学校が休みなので
その日も病院に泊まらせてもらってゆうの手を握って眠った。