ブーブーっとしばらく触っていなかったスマホがなる。


”美帆。橘から聞いたけど、
かりんも学校終わったらすぐ行くから。今はゆっくり休んでね。
無理しずに、寂しいなら言って、
すぐに行くから。美帆はいつもなんでも1人で抱え込んで、解決しようとするんだから。ちょっとは頼って。
美帆のそばにはみんなが、いるんだから。”



かりんのその言葉の通り、クラスのみんなからたくさんメールが来ていた。
その一つ一つに返事を返し、
他のメールを確認する。

みんなのメールに埋もれた。
私の愛しい人の名前を見つける。


なぜか通知は飛び抜けて多かった。
開いてみた中には音声メッセージもあった。
てゆうかほとんどが音声メッセージだった。

少しだけのメッセージに先に目を通す。



『俺がいないときでも、大人になった美帆が寂しくないように。』


すっと下に指を動かしていく。
なぜか、誕生日を祝うコメントととその一つずつに、音声メッセージもつけられていた。


『1個ずつ再生してね。一気にやったらダメだよ。』

そして、最後の言葉。
『誰よりも、愛してる。』




ゆうから何度も聞いた言葉。
なのに、初めて聞いたみたいな響きだった。