寝ては起き、寝ては起きを繰り返し、ついに迎える朝。

いつもと変わらず太陽が輝く。
いつも私の心を支えてくれた太陽は、
今日も変わらなかった。


変わらないものが人の心を支えて、大切にしたいと思えるものがあれば、
人は生きていけることを学んだ。



『おはよ。』

いつの間にか起きていたゆうに声をかける。


『美帆、こっち来て。』
ひらひらと手を振るゆうに近づく。



『なに?』
急に不安になる。どこにもいかないで。
こわい。

ぷっっとゆうが吹き出す。


『なに、その顔。笑ってよ。ほら、いつもみたいに、バカっぽくさ。』

『なにー、バカみたいって!そんな風に思ってたの!?』

思わず笑顔がこぼれる。

『笑えんじゃん。かわい。』


やっぱり、ゆうには叶わない。
私のことをずっと笑顔にしてくれる。
いつも笑顔にしてくれる。


ゆうがいてくれるだけで、幸せすぎて幸せすぎてやばかった。

『はいはい。』

恥ずかしさを隠してそっけなく返す。
本当は嬉しくてたまらないのに。

『照れてんの。かわいーなー』

『はいはい。』


『ねぇねぇ......』
ゆうが途中で言葉をとめる。

『なに?』

ガラガラっとドアが開き、看護師さんが入ってくる。

『そろそろ準備だから、これに乗ってね。』

とでかいベットを持ってくる。

『はーい。』


慣れた感じでベットに乗るゆう。

もう行くのかな?結構早い。まだ言ってないことたくさんあるのに。



『じゃあ行くねー。美帆ちゃんも、途中までは来れるから、ついてきてね。』


そういって看護師さんは動きだす。
私も後に続く。

ゆうはしっかりと上を見てる。