この後病院に戻った俺たちは、やっぱり先生に怒られた。


美帆は笑って俺を見上げて、
怒られちゃったね。と笑った。



いつもの、俺の大好きな笑顔だった。


そしてまた美帆は病院に泊まると言って聞かない。

『お母さん、心配するから。』

『いい。いいって言ってくれたもん』

『嘘だー。』

『本当だって、』

ほら、見てみ。とスマホの画面を突き出す。


いいよ。
優太くんの迷惑にならないようにだけ、気をつけて。



本当だ。もう、美帆のお母さん。
しょーがないと思い、布団をかぶる。


それに潜り込んでくる美帆。
そっと抱きしめる。


今日は疲れた。
美帆と遊園地なんて、初めて行ったし、
電車もバスも乗った。
こんなに歩いたのは初めてかもしれない。


美帆....
と心の中で呼びかける。


俺、負けないから。手術なんかに負けないから。


俺は目を閉じ、夢の中へと入っていった。