抵抗し続けた私は力尽きて、ソファの上でぐったりとなっていた。


どうして男の人は、こんなに強いの?


どうして私は、こんなに弱いの?




梅原君に唇を奪われながら、私はあの人を思い出していた。



あの人はいつも強引だった。


だけど、いつも私の気持ちを確かめながらキスをしてくれた。


赤くなった私に、触れてくれていた…。





あの人の冷たい瞳は



いつも温かかった…。









「いやああぁぁ!!!」


私はテーブルにあったガラスの灰皿を、梅原君の背中に振り落とした。


梅原君は真っ青な顔でソファの下にうずくまった。



私は部屋から飛び出し、友人たちに何も言わないまま家に帰った。



家に着いた私は、まっすぐ浴室に入り、


梅原君に奪われた唇を何度も洗った。

梅原君に触れられた体に熱いシャワーをかけた。





あの人の温もりまで流れてしまいそうで



私は泣きながら、自分の体を抱き締めた。