目を見開いた。
恭ちゃんは、そっと私の肩を持って自分の身体から離すと、柔らかく微笑む。ああ、どこまでも優しい。恭ちゃんはやっぱり、私には勿体ないくらいに優しい人だった。
最後の最後まで、私の背中を押してくれる。
「なあ、告白の答え、聞かせてよ」
涙をぬぐった。
こわい。怖くて、怖くてしょうがない。でも、これじゃあ前に進めない。
なら、もう、前を向いて歩かなくちゃ。どんなに傷ついても、どんなに苦しくても、それを受け止めることが、私の唯一できることなんだから。
私は、口を開く。
その答えを、口にするために。恭ちゃんは最後までそれを聞くと、ぽんと私の背中を押した。
そして、言うのだ。いつもと変わらないあの優しい声で。
「行ってこい、ハル」
私は、走り出していた。



