「あのね。わたし、本当は佐藤くんと、付き合ってないんだ」
「……ぇ」
「仮、なの。佐藤くんが告白してくれた時、私はこうやって答えた。クリスマスの日に、またその告白を聞かせて。って。それでまだ答えが変わらなかったら、ちゃんと付き合おうって」
「……」
「この意味、分かるよね」
そっと、優しく撫でていた手が離されていく。
「私は、クリスマスの日、9時に駅前のクリスマスツリーの前で待ち合わせしてる。それまでが、私の待てる最大の時間だよ」
ずるずると体が引きずられるように、へたり込む私をひまりちゃんは見下ろしたまま、呟く。
「卑怯で、ごめんね」



