声が勝手にしゃくりあげる。


私は、ぎゅっと手を握りしめて、続ける。



「ごめん、ごめんなさい……こんな、よわくて、ごめんなさい。でも、やっぱり私は」


私は。

私は、佐藤くんが。









「───どうしたって、佐藤くんが、すき、なんだ」



その言葉を言った瞬間だった。


がたん、と激しく音がした。びくりと肩が震える。


何事かと私はごしごし自分の服の裾で目をこすり、布団を捲って、当たりを見まわす。



けれど、そこには誰もいなかった。身体を起こして、見てみると慌てて出て行ったのだろうか、ドアが半分開いたままになっていた。


手をついて立ち上がろうとしたとき、私の小指に温かいものが触れて、そちらに視線を落とす。




そこにあったのは、まだ温かい缶のミルクティーだった。