そのあと、私たちの部屋に女子が集合し、恋愛話に花を咲かせ始めたせいで、私は急きょ早めの温泉に逃げ込むことになったわけだが。
女子たちの関心はもちろん、佐藤くんとひまりちゃんの関係について。
普段、あんなにそっけなくしている佐藤くんがいったいどんな感じなのか、女子たちにはどうしてもお耳に入れておきたかったようだ。そのせいで、私と恭ちゃんの関係にまで話が飛び火しそうになって逃げかえったわけだが。
温泉を出た後、おそらくもうご飯を食べる時間であることに気づき、今さらそそくさと入るには気が引けて、私は温泉を出て、少し言ったところにあるお土産屋さんに立ち寄ることにした。
鞄の中にお菓子がいっぱいあるし、まあ、明日の朝まで持つだろう。先生に内緒で、コンビニにでも立ち寄るのもアリだろうし。
先生に何でいなかったんだとどやされる時の言い訳を頭の中に並べて、男の先生がツッコみにくいだろう、女の子の日を使おう、アレッ、でも私普通に温泉に入ってたから使えなくね? これはもう死にそうなくらいの腹痛に襲われて、トイレを出ることができませんでした、でいいかななんて遠い目をしていたとき。
「……結城?」
声を、掛けられた。
びくっと肩が震える。
恐る恐る振り返ると、そこには、佐藤くんが立っていた。佐藤くんも私と同じように、私服だ。



