恭ちゃんは、優しい。
どこまでも、優しい。私にはもったいないくらいに。
私に時間をくれる。その優しさに縋る私は、どこまで醜いのだろう。
謝りたかった。
顔を見上げて、私にどこまでも優しくしてくれる恭ちゃんに、謝りたかった。でも言葉が、出ない。
そんな私を見て、涙が零れ落ちそうなほど壊れ物を扱うように頬を撫で、そっと、目を伏せて顔を近づけてくる。
思わず目を閉じた。その柔らかな感触は、額に触れる。そこだけ熱を持ったように熱くなり、それを通して全体にじわじわ広がっていくような気がした。
見上げると、恭ちゃんがくつくつと笑ってのける。
「あんまり焦らすなよ、これでも我慢してるんだからさ」
「……ありがとう」
ほうっと、息を吐いて私は額に触れるほどのキスをされた場所をそっと手で押さえ、もう一度
恭ちゃんの名前を呼ぼうとした、その時だった。
「───ゆう、き」
はっと、我に返った。
私はほとんど、無心のまま振り返る。そこには、佐藤くんとひまりちゃんがいた。呆然と、目を見開き、佐藤くんが私と恭ちゃんのほうを見ていた。



