「俺と、付き合えよ」
「───」
息を、飲む。
それは、冗談やめてよ、と突き放すにはあまりにも真剣すぎて。
私は、その瞳に囚われたかのように、離すことができない。
「……なん、で」
「いやなとこ、ついてくるなぁ」
恭ちゃんが苦笑する。その苦笑いは、いったいどんな意味が含まれているのか、見当もつかない。
今まで私のそばで、ずっと支え続けてきてくれた恭ちゃんがこんなにもはっきりと形にしてものを言うのは、初めてだった。
「いろいろあるよ。今のお前が見ていられないってのもある。好きな奴がそんな弱ってて、何も思わない奴なんて、いないだろ」
「……」
「でも、これは、いや……違うな。たぶん、これも言い訳だ。本心は、お前が好きだから。だから、お前のそばにいたい」
そっと、頬に恭ちゃんの手が添えられる。
その瞳は、さっきよりも強い意志がありありと浮かび上がっていた。
私が、また、恭ちゃんを苦しめているからなのだろうかと思う。でも、それはすぐに違うと思った。恭ちゃんは罪悪感だけで、私のそばにいたいわけじゃない、それは文化祭の時に聞かされた言葉だ。
それが嘘じゃないことを、私はちゃんと頭の中で理解していた。
もし、私がこの告白を受け入れたなら。
……私は、今の気持ちを少しでも楽にすることが、できるのだろうか。
そっと、悪魔が囁くように、私の耳元で知らない声が鳴り響く。いいじゃないか、別に
それくらい、受け入れたって。誰も傷つきはしないでしょう。それなら、楽になったって、いいでしょう。



