「これで、首刺したら死ねるかな」
「待って早まらないで佐藤くん!」
「お前が死んだところでなかったことにはできないぞ!」
「それなら、ついでで結城と瀬尾を道連れにするから」
「私関係なくね!?」
「俺も関係ねえよ!ついでで殺すな!」
「切実に忘れたい」
「やっぱり佐藤くんは佐藤くんだったわ!忘れたところで今日という日は返ってきませんよ!?」
首にフォークを突き刺しそうになる佐藤くんを慌てて、私と恭ちゃんで押さえつける。そんな攻防を数分繰り返した挙句、折れたのは佐藤くんのほうだった。
佐藤くんは薄い唇を噛みしめ、わなわな震わせながらぼん!と、テーブルに穴が開くんじゃないかと思うくらいに強く頭を打ち付け、そのまま停止する。
「……もうむり……これからどうやって朝比奈さんに会えばいいか分かんない……」
「もちつけ。佐藤くん、割と今まで恥ずかしいことしてきてるからこれくらい大丈夫ですって」
「それをさせてるのは誰だよ……」
「ダメでしょ恭ちゃん!」
「責任転嫁、ダメ、絶対」
佐藤くんは、はあ、と大きくため息をついて、くるりと首だけこちらに向けてくる。その眼は若干涙目だ。



